GT63A

マルチパターニング用液浸露光装置に向けた次世代のArFエキシマレーザ「GT63A」

GT63Aは、GTシリーズの最新モデルで、インジェクションロック方式を採用したプラットフォームの5世代目にあたります。
GT63Aシリーズは、広い焦点深度を実現するスペクトル制御技術(sMPL) *1)、低ランニングコストを実現するチャンバ技術(sGRYCOS)、高稼働率を実現するガス制御技術(sTGM)、高安定性を実現するモニタリング技術(sMONITORING)の、4つの”s”シリーズファンクションを投入し、高い技術でお客様への更なる価値を創造し、信頼に応えています。
GTシリーズはすでに各国の主要ユーザーに数多く受け入れられており、その設計思想・信頼性が高く評価されています。
GT63Aは、これまでのGTシリーズと同じプラットフォーム上に設計されており、最大限の共通化が図られているため、ユーザーにとってその導入当初から高い信頼性が期待できます。


GT63Aの特長:4つの”s”シリーズファンクション

sMPL

sMPL(Spectrum Multi Positioning LNM)技術は、スペクトル制御幅を従来の10倍以上に高め、フォーカスドリリングによる広い焦点深度確保を実現します。このsMPL技術を搭載する事により、従来技術では困難であったコンタクト、トレンチ、ビア等の露光におけるプロセスウィンドウの拡大を、CDU、オーバーレイ、生産性等への悪影響なしに達成可能です。また、sMPLは露光機メーカー及びチップメーカー様と共同で量産試験を実施し、その有効性は確認済です。

sGRYCOS

sGRYCOS(Sixty Gigaphoton Recycled Chamber Operation System)技術は、エキシマレーザの主要な交換部品であるチャンバの寿命を従来の1.5倍に高め、低ランニングコストを実現します。sGRYCOS向けに、新規開発したチャンバで予備電離の強度を高めた事、及びGTシリーズに搭載されている余裕のあるパルスパワー電源により、エネルギマージンを高め、従来品と比較し大幅な耐久性向上を実現しました。

sTGM

sTGM(Supreme Total Gas Manager)技術は、波長較正方式に工夫をこらし、従来2週間に一度必要であったレーザガスの交換を不要とする事で、高稼働率と低コスト運転を実現します。GTシリーズで培ったガス制御技術は、パフォーマンスをフィードバックしながらレーザチャンバ内のガスを最適に保つ事が可能です。今回、sTGM向けに新規に開発した絶対波長較正モジュールにより、従来必要であった絶対波長較正時のガス交換を不要とし、ダウンタイムの低減とガスコストの削減を両立しています。

sMONITORING

sMONITORING(Smart Monitoring)技術は、オンラインでリアルタイムにレーザのパフォーマンスをモニタする機能で、お客様のFDC(Fault Detection and Classification)システムにも接続可能であり、装置の安定稼働に貢献します。

主な仕様

項目*
発振波長193 nm
平均出力60/90 W
パルスエネルギー10.0/15.0 mJ
発振周波数6,000 Hz
スペクトル幅(95 %エネルギー積算-E95)0.3 pm
(*) 各仕様値は代表値です